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弁護士が教える!人生を成功に導く質問力/ 谷原誠

kindleですごく安かったので買って、ざっと読んでみました。
弁護士が教える!人生を成功に導く質問力 質問を制するものが会話の支配者となる

弁護士が教える!人生を成功に導く質問力 質問を制するものが会話の支配者となる

 

 基本的に当たり前なことが書いています。決して悪い意味ではなく、当たり前だけど非常に大事で、頭に入れていれば役に立つかも、といったようなこと。例えば

 
・質問をする環境を作るには、「相手との共通点を探す」のが近道です。
・刑事の尋問のように、たて続けに質問しない 〜 相手が答えてくれたら、こちらも何らかの情報をオープンにすると良いでしょう
といったような、そりゃそうだよなあ、と思うことがかかれているわけだけども、実践できているか考えるとなかなか自信がない。
 
全体を通して主張されていることは、質問をすることで相手を不快にしては意味が無く、信頼関係を築くために質問する、ということです。この考え方はなかなか良いのではないかと感じました。
 
後半では、議論に負けないための質問テクニック、ということが書かれています。私は議論を勝ち負けとしてしまうのは間違っていると思うのですが、筆者もその点は私と同様の考えのようで、あくまで議論は良い解決方法にたどり着くためにやることであると明言しています。筆者は、
 
・議論に負けないことの最終目的は、あなたの要求を通すということです。
と定義しています。そして、
・どんな状況においても議論で絶対に負けない唯一の方法は、あなたが「常に質問する立場に回る」ことです。
としています。
 
質問者は常に攻める側である、ということです。これは確かにその通りです。例えば会議なんかで、プレゼンテーションする側は明らかに攻撃される側で、質問する側は変なところがないか、理論が破綻していないか、嘘がないか、注意深く聞き、質問します。
 
日常レベルの議論であっても、たとえば何かしらのルールを決めると考えましょう。ゴミ出しを妻がやるか夫がやるか、どのように分担するか位に考えて良いと思います。自分はA案が良いと思う、相手はB案がいいと主張している。このときに、自分が質問している限りは主導権は自分にあります。
「どうしてB案がいいと思うの?」
「でもその理屈はOOだから違うのでは?」
「そういうならOOのほうが理にかなってない?」
などなど…
極論、相手が全く質問してこなければ、自分の主張は100%通ると言ってもいいかもしれません。
もちろん、通常こちらの質問があらかた済んだあと、相手は
「じゃあどうしてA案がいいと思うの?」
のような質問をしてくるわけですが、質問しているときは主導権はこちらにある、ということは間違いないでしょう。
 
議論においてどうしても自分の案を通したいとき、相手より多く質問をする、ということに気をつけるのもいいのかもしれません。